マイナビ転職動向調査2020年版によると、正社員の転職率は、調査を開始した2016年転職率3.7%から年々増加しており、2019年には7.0%が転職経験ありと答えています。
特に20代男(4.7%→12.0%)、20代女(5.8%→13.4%)と若い世代で大きく伸びており、転職が活発になっていることが分かります。(2016年と2019年の数値を比較)
また同調査にて、現職の希望勤続年数は平均10.7年(2019年)で、男女共通して20代では「10年以下」の割合が7割を超えるという結果が報告されています。
私も27歳ですが、実際に転職を経験しています
周りの友人の中には、27歳で3回の転職を経験するなど、転職をしたり、転職を希望したりしている人が増えている印象です。
このように転職率と転職希望者数は、年々増加傾向にあります。
なぜ転職率は増加しているのか?
転職率が増加している主な理由は、3つ挙げられます。
- ①給料や福利厚生に対する不満
- ②若者の老害に対する嫌気
- ③自分の市場価値を高めるため
①給料や福利厚生に対する不満
「給料がなかなか上がらない」「残業手当がつかない」などの理由で転職する人は多いです。
特に他の会社に勤めている同年代の友人と比較した時に、自分の方がもらっている給料が少ない場合、劣等感や将来に不安を感じてしまいます。
また、会社の上司が給料をどのくらいもらっているのかが分かり、絶望するケースもあります。
さらに、上司の年齢になって働いていたとしても、今上司がもらっている給料より低い可能性もあります。
そのような状況において特に若者であれば、結婚や子どもの教育でこれからお金がますますかかっていき、大きな不安を感じるでしょう。
仮に会社に給料や福利厚生の改善を交渉したとしても、なかなか上がらないのが現実です。
給料や福利厚生が良くならないため、「環境を変える」、つまり転職を選ぶ人が増えているのです。
②若者の老害に対する嫌気
- 自分は何もしないで高い給料だけもらう窓際族
- あいさつをしなさいと言い、自分はしない上司
- 若者が動きなさいという古い考え
このように、上司や管理職に対して不満を感じている若者は少なくありません。
特に風通しが悪く、古い慣習の会社であればあるほど、老害という存在は大きくなっていきます。
そのような会社で働いている若者は、会社に対する帰属意識が徐々になくなっていき、転職を考えるようになります。
一方で若手がばりばり活躍し、実力主義のベンチャー企業に憧れを感じるようにもなるでしょう。
老害に苦しむ若者たちは隣の芝が青く見え、最終的に転職という決断をしていくのです。
③自分の市場価値を高めるため
近年、自分の市場価値を高めるために、転職する人が増えています。
その背景には、「1つの会社にしがみつくことのリスク」を警戒している人が増えていることにあります。
日本では、1社に定年退職まで勤め続ける終身雇用が崩壊しつつあります。
近年、45歳以上の早期退職者を募集する企業が話題になりました。
例えば、コカコーラであれば、45歳以上の社員を対象に希望退職者700人を募集したり、日本ハムでは、45歳以上の社員を対象に全社員の約1割に早期退職者を募集したりと、早期退職を促す方針が発表されました。
このように昔は安泰だったはずの大手企業が、中堅以上の社員のリストラを始め、世の中の流れが変わりつつあります。
そのためにこれからの時代は、自分で稼げるスキルを身につけ、市場価値を高めていかなければ、生き残ることが厳しくなっていくでしょう。
- 「今の会社にいても何もスキルは身につかない」
- 「このままこの会社にしがみ続けても自分の将来はない」
こういった不安を抱えた人たちが、自分の市場価値を高め、会社にしがみつく生き方をしないために、転職という道を選んでいるのです。
これからの時代、転職はますます当たり前になっていく
これからの時代、転職はますます当たり前になっていきます。
終身雇用制度が崩壊。
大企業の社員がリストラされ、1社にしがみつく時代は終わりました。
人生100年時代と言われる現代において、1社に縛られずに転職をすることで、人生がより豊かになる可能性もあります。
また、野村総合研究所の発表では、約15年後にはAIにより今ある仕事の約半分がなくなることを予想しています。
AIが得意とするのは、単純作業や正確さ、効率性を重視する作業です。
今まで人間がやってきたことを一瞬で学習し、成果を出し続けていきます。
経営者目線で考えると、人件費もかからない、人間のように文句を言わず長時間労働もしてくれるAIの導入を検討するでしょう。
そうなると経営者は、ほとんどの社員を解雇し、AIを中心とした経営にシフトしていきます。
私たちはそういう時代の到来を覚悟し、いつでも転職ができるスキルを身につけ市場価値を高めていく必要があるのではないでしょうか。