面接で必ずと言ってもいいほど話すことになる「あなたの強み」。
最高のアピールポイントになりますが、逆にどのように答えるべきなのかわからないという方も数多くいるでしょう。
今まで社会人経験から様々な強みをアピールしてくれる求職者の方と出会ってきましたがポイントになるのは1点。
その強みが「我が社で即戦力となるのか?」ということです。
では、なぜ即戦力を求められるのか?ということを次項で解説していきます。
なぜ転職者には即戦力が求められるのか?
ここで押さえておきたいのが新卒入社と中途入社の違いです。
新卒入社と中途入社の決定的な違いは「社会人経験が有るか無いか」です。
新卒は社会人経験が無い為、社会人としてのスキルももちろん備わっていません。
学生生活の中で出した成果はもちろんあるでしょうが“社会人”という新たなフィールドで即戦力として力を発揮できる新卒はひと握りです。
なので新卒で入社した新入社員には“入社研修”というものを実施して人材開発をしていく企業がほとんどです。
反対に中途採用の求職者は“社会人経験”というものがあります。
社会人としての基礎的なスキルや、職業により身に着いた専門的なスキルなどが備わっているはずです。
また役職を経験している求職者にはマネジメントスキルを求めたり、プロジェクトを担う主要ポジションなどですぐに力を発揮してくれることを期待します。
このことから面接官は中途採用の求職者には「前職で身に着けたスキルを、即戦力としてどう活かしてくれるのか」を面接では見ているのです。
強みのアピール方法とは?
では本題です。
「面接官の心を揺さぶる強みのアピールの仕方とは?」
人事が欲していることは「目の前の求職者を採用することで、企業にどのようなメリットをもたらしてくれるか」ということです。
メリットとは一体なにか?
- 企業の営業成績が悪く、営業スキルが長けた人を採用することで営業成績を上げたい
- 企業の営業成績が悪いので、既存の営業マンのスキルの底上げが出来る教育者が欲しい
- マネジメント層が弱いので、マネジメント能力に長けた人が欲しい
- 企業戦略に則って執行してくれる執行役員が欲しい
- 新しい部署の立ち上げをしたいので、新規事業立ち上げ経験者が欲しい
など例を挙げると企業によって様々です。
そして大切なのは「いかに目の前の面接官の心を揺さぶれるか」ということです。
相手の心を揺さぶるには相手の立場になること。
なんだ。当たり前じゃないか。と思われると思います。
でも意外と面接になると「面接官の立場になる」ということが出来ていない人が多いのです。
どういうことかというと、求職者によくある…
- 面接では自分の言いたいことを言えるかで頭がいっぱい
- 面接の事前準備で自分のアピール文ばかりを準備している
- 戦略性がなく、準備してきたこと以外は話せない
という求職者です。
一つずつ解説していきます。
面接では自分の言いたいことを言えるかで頭がいっぱい
面接は自分の言いたいことをキレイに言う場所ではありません。
面接はコミュニケーションと同じで、面接官とのキャッチボールなのです。
面接官の質問の意図意味をしっかり理解をしたうえで、面接官が欲しているであろう回答に紐づけてアピールをすることを心がけましょう。
そして“自分の言いたいこと・アピールしたいこと”という自分目線ではなく、“面接官・企業がどのような求職者を求めているであろうか”という視点に立ち、強みをアピールしましょう。
面接の事前準備で自分のアピール文ばかりを準備している
事前準備をすることは素晴らしいです。
ただ準備の仕方はそれで合っていますか?
「面接では自分の言いたいことを言えるかで頭がいっぱい」で解説したように、“面接官・企業がどのような求職者を求めているであろうか”という視点に立つべきだとお話しました。
では事前準備も、この視点に立って行うのです。
面接官・企業が欲しているということは、現在その企業に足りないものがあるということです。
いわゆる企業の課題です。
もしくは業界が抱える課題。
この課題解決が出来るかがポイントです。
自身を採用することによってその企業の課題が解決できれば面接官の心を大きく揺さぶることが出来ます。
なので、事前準備では自己分析だけでなく「企業の課題・業界の課題分析」を行って、その課題を解決できる自身の強みを準備するべきなのです。
戦略性がなく、準備してきたこと以外は話せない
前述したことと重なりますが、自分の言いたいことを言うのではなく相手が求めていることを面接ではアピールすべきなのです。
なので、特に企業側が欲していない強みをつらつらと話されても全く心は動きません。
「どのような球(質問)が面接官から来るか」を戦略的に考えて準備をし、こちらの球(質問に返すアピール)は念のためいくつも準備しておきます。
強みが一つだけではなく、自身の強みの球をいくつも準備し、面接官の質問の裏にある、欲している球(あなたの強み)を戦略的に出していくのです。
なので事前準備の「企業の課題分析」においても一つの課題だけを仮説立てるのではなく、複数の課題を仮説立てておきましょう。
もしひとつだけの仮説立てが、最悪外れてしまっても自身の準備した別の仮説をあてにいくことが出来ます。
以上が面接官の心を揺さぶるポイントです。
そして、最後に忘れてはいけないのが「想い」です。
どこまでいっても人間は感情の動物です。
もちろんここで紹介した事前準備や自己アピールは全力でやりつつも、面接で吐く言葉があなたの想いや気持ちのこもった“腹の底からの言葉”であるか。
これが、最後に人の心を動かすものです。
転職活動が成功しますよう応援しています。