転職を検討するにあたって、「転職に学歴は関係あるのか?」と考える人は多いでしょう。
確かに、学歴=仕事の能力ではありません。
有名大学を出たからといって仕事がずば抜けてできるかというと、必ずしもそうではないですし、高卒でもビジネスで素晴らしい成果をあげる人もいます。
しかし、転職希望者の採用を検討する際には、企業側は必ず学歴を見ています。
つまり、転職と学歴は関係があるということです。
ここでは、その理由と学歴別に転職活動におけるアドバイスをまとめました。
転職に学歴が関係あるのは何故か?
転職の際に採用側が学歴を見る理由は主に3つあります。
- 基本的な知識、一般教養があるかを見る
- 普通に努力すべきこと、やるべきことをやってきたかを見る
- 大学卒が普通になってきた
基本的な知識、一般教養があるかを見る
単純ではありますが、採用する企業側は大学卒以上であれば、基本的な知識と一般教養は備わっていると見なします。
企業では転職者に即戦力としての貢献を期待しており、転職者に対して丁寧な職務トレーニングやきめ細やかな研修を提供するような企業は少ないのが現実です。
転職者は自ら新しいことを学習し、身に付け、すぐに結果を出していくように求められますので、企業側は転職者の学歴を見てこういったことができるだけの基本的な知識と教養があると判断し、採用しても大丈夫と考えます。
普通に努力すべきこと、やるべきことをやってきたかを見る
大学卒以上であれば、受検をクリアするのに必要な知識を身に付けるため、中学・高校時代に普通に努力してきたことが覗われます。
企業としては、その人が学生時代にやるべきことをしっかりやってきた証として、こうした努力を評価します。
採用した後も期待に応えるために、真面目にタスクに取り組む努力を惜しまないだろうという安心感を持つため、企業としては有名、無名にかかわらず、大学卒や大学院卒という学歴を尊重する傾向があります。
大学卒が普通になってきた
転職希望者が求人情報を見ると、募集対象の多くが大学卒以上であることがわかるでしょう。
そうでなければ学歴不問のどちらかです。
つまり、求人案件自体が二極化してきているのです。
もちろん、大手有名企業の求人では、ほとんどのケースで大学卒以上が条件となっています。
大学への進学率が高い現代では、「大学卒」は世の中のスタンダードとなってきており、履歴書を見るときに募集企業としてはスタンダードをクリアしているかを確認するために学歴をチェックします。
学歴別転職活動のアドバイス
実際に学歴別にどのように転職活動を進めると良いのか、アドバイスをまとめてみました。
- 大学院卒
- 大学卒
- 短大卒
- 高卒
大学院卒
理系の場合は、専門分野を生かした専門職への転職は圧倒的に有利です。
特に、同業種での転職の場合は、前職での職歴が経験としてプラスに受け取られるため、人材不足の研究・開発部門では歓迎されます。
前職で専門分野と関係のない職務に就いていた場合は、何故、その職務を選んだのかについて、しっかりと説明できるようにしておくと良いでしょう。
文系の場合は、一般企業では大学卒と比べてさほど大きなメリットが出ないというのが正直なところです。
しかし、培ってきた学習習慣や努力の過程は、企業側の評価対象になります。
大学卒
大学卒の場合、国公立と有名私立、それ以外の大学で立ち位置が異なります。
国公立と有名私立は学歴としては申し分ないと見られますので、学歴により採用に影響が出ることはないでしょう。
それ以外の大学の場合は、募集条件をクリアしているという意味ではスタートラインについている状態です。
それだけに、他の候補者との競争が激しいと理解しましょう。
適性検査は確実にパスできるように、対策本などで準備を行うことがマストです。
また、面接では、それまでの職歴や職務経歴から転職への流れを動機も含め明確に説明できるようにしておくべきです。
短大卒
現在の全国における短大数は331校と、大学数の782校に対して半分以下となっています。(文部科学省の平成30年度学校基本調査による)
この学校数からもわかるように、ひと昔前までは、特に女性の場合、短大卒は珍しくありませんでしたが、現在では短大というのは中途半端な学歴というイメージになっています。
短大卒で転職を考えている人は、可能であれば大学卒の資格をとることをお勧めします。
大学3年生から編入したとしても、2年間という時間がかかってしまいますが、将来的なキャリアプランを考えたときに、大学卒の資格をとっておくと可能性は大きく広がります。
通信制という形であれば、働きながら資格を取得することが可能ですし、費用も大きく抑えられます。
今すぐに転職を希望する企業があるが、応募資格が「大学卒以上」となっている場合は、企業の採用担当に直接連絡して「短大卒だけれど募集に挑戦するチャンスはもらえないか」と直談判してみましょう。
企業によっては、積極的なやる気を買ってくれ、採用試験への挑戦を認めてもらえるケースもあります。
高卒
学歴不問の企業を狙いましょう。
学歴不問として募集をかけている企業は、転職希望者のやる気や人柄を重要視する傾向があります。
採用面接で志望動機や自己アピールをしっかりと伝えられるように、想定質問に対しての回答の仕方などを練習しておくと良いでしょう。
長期的な視野を持ってキャリア構築をしていくためには、通信制などで大学卒の資格を取得することを検討すべきです。
取得した大学卒の資格とともに次に転職活動をする際には、採用側は「働きながら大学卒の資格を取得した」という結果も高く評価してくれますので、チャンスが広がるでしょう。
まとめ
学歴が転職にも関係があることを伝えてきましたが、「大学卒以上」という応募条件は絶対に越えられない壁ではありません。
高卒や短大卒の人は大学卒の資格取得を視野に入れることで、その後のキャリアプランが広がるのでお勧めです。
既に大学卒の資格を持っている人は、そこがスタートラインです。
転職先の企業研究をしっかりと行い、確実に適性検査をクリアし、面接に臨めるように準備することが必要でしょう。