あなたがこの記事を閲覧しているということは、仕事絡みの人間関係で悩みを抱えているからではないでしょうか。
かく言う私も以前は、職場の人間関係に苦しんだ経験を持ちます。
ここでは私の実体験に基づき、如何にしてその悩みを克服するに至ったかをご紹介したいと思います。
私の経験談が、少しでもあなたの参考になれば幸いであります。
あなただけじゃない!職場での人間関係の悩み
かつての私もそうだったように、仕事を辞めたくなるほど人間関係に悩んでいると、ついつい自分だけが苦しみを抱えているのだと感じ、視野が狭くなりがちです。
それは当然ですよね。
だって、自分のことで精一杯になり、他人のことを客観視する余裕など無いでしょうから。
しかし、実際には私を含め、多くの人が程度の差こそあれ経験していることなのです。
むしろ、人間関係に悩んだ経験の無い人の方が珍しいでしょう。
事実、それが原因で何人もの方が退職していったのを見てきました。
私の体験談
私は、今から約20年前に地方公務員として入職しました。
新採1年目は先輩にも恵まれ、とても楽しく働けたことを覚えています。
それが2年目からは一転して、同じ係の女性職員と険悪な関係になりました。
最初は、些細なことがきっかけだったように思います。
それが段々と積もり積もって、口をきくのも億劫になるほど嫌気がさしていきました。
今から思うと、私も入庁2年目にしては謙虚さが足りないところがありました。
しかし、私からみると、その女性職員はたしかに仕事は出来るものの、自己中心的な面があり傲慢な態度が目に余っていたのです。
入庁1年目には係の大黒柱として絶対的な存在だった中堅職員が居たのですが、彼の異動に伴い、抑えが効かなくなり拍車がかかりました。
この女性職員は非常に頭が切れるため、周りを巻き込んで巧みに私を追い詰めていきます。
キャリア的にも先輩格にあたるので、どうしても彼女の意見が優先されるのはある意味当然だったかもしれません。
入庁3年目になると、彼女は座席の配置替えを提案し、私は完全に孤立させられました。
そして、事あるごとに同僚の女性職員と徒党を組んでわざと聞こえるように嫌味を言ったり、陰湿な嫌がらせを繰り返したりしてきました。
こうして、精神的に追い込まれた私は職場に居るだけで、胃痛のみならず吐き気まで催すようになっていったのです。
医師の診断の結果、心身症を発症していたのでした。
仕事を続けられた理由
こんな状態に陥ったにもかかわらず、私が辞職しないで済んだのは、同じ係にいた男性の先輩職員のお陰でした。
後から聞くと、私の異変には早くから気がついていたようです。
何しろ食いしん坊の私が、ほとんど食べなくなるだけでなく、口数も激減したのですから。
当時の私は社会人としての経験が浅かったこともあり、どうやってこの地獄のような状態から抜け出せばよいのか対処方法が分かりませんでした。
時には、職場に行くことが苦痛のあまり、「今日も1日あそこで過ごすのか…それならいっそ…」と脳裏をよぎり、通勤途中で車に飛び込みたくなる衝動にも駆られました。
あれは入庁3年目の夏の終わりのことです。
とうとう限界が近づいたことを自覚した私は、一緒に残業していた前述の先輩職員に相談に乗ってもらうことにしました。
上司にではなく先輩に話をしたのは、何かと面倒をみてくれていたことに加え、私が居なくなると、私の担当業務のほとんどが先輩に振られることが予想できたからです。
ですから、どうなろうとも先輩にだけは事実を伝え、謝罪しようと思いました。
退庁した我々は夜の帳が下りた近くの公園に向かい、私はベンチに腰掛けながら現在の状況を打ち明けました。
私が話を終えると先輩は全く言葉を発せず、辺り一面を静寂が支配しました。
先輩もある程度は予想していたようでしたが、ここまで追い詰められていたとは思っていなかったため、言葉を失ったからです。
このままでは埒が明かないと感じた私は、「今の状態ではこれ以上出勤することはできません。辞めるか療養休暇を取るかで悩んでいます」と正直に言いました。
すると先輩は、「辞めるのだけは絶対にダメだ!とりあえず、休んで欲しい」と必死に声を絞り出します。
「どちらにしても先輩に迷惑をかけることになります。申し訳ありません」と頭を下げました。
私は、先輩の発した次の言葉を終生忘れることはないでしょう。
「謝るのは自分のほうだ。苦しんでいるのを分かっていながら、こんなになるまで様子見をしていて申し訳ない」と逆に頭を下げるではないですか!
「このまま辞められたら、一生悔いが残る。だから療養休暇を取って欲しい。復帰後の職場環境は、係長や他の係員と相談して整えるから」
話し合いの末に、私は療養休暇を1ヶ月取得した後、職場復帰を果たしました。
座席も、仕事と精神面のフォローをするという名目で先輩が隣に来てくれ、防波堤になってもらいました。
例の女性職員は面白くなそうでしたが、他の職員も職場復帰の際に温かく迎えてくれたのが、とても嬉しかったです。
こうして、私は先輩の尽力により、なんとか仕事を続けることが出来ました。
たしかに、私は良き先輩に恵まれ、とても幸運でした。
ですが、独りで悩んでいても、状況はどんどん悪くなるだけだと思います。 なので、ダメ元で上司や信頼できる同僚に相談してみては如何でしょうか。
辞めるのは、それからでも遅くないと思います。
どうしても相談できる人もおらず、これ以上は辛くて無理だというあなた。
仕事を辞めるも、選択肢の1つだと思います。
私も先輩が居なかったら、退職していたはずですから。
仕事は生きていくために必要なことですが、人生の全てではなく、ましてや今の仕事以外にも星の数ほどあるのです。
“あなたが、あなたらしく生きる”。
それ以上に大切なことはないはずです。
仕事を続けるにせよ、辞めるにせよ、“あなたが自分らしい人生を全うする”ことを心から願っています。