会社に入社をする際には大きく分けて“新卒入社”と“中途入社”があります。
どちらも採用の過程を通過し入社をしますが新卒と中途には採用時にどのような違いがあるのでしょうか。
それは新卒採用は“可能性にかけるポテンシャル採用”、そして中途採用は“社会人経験をふまえ身に着けたスキル採用”であるということです。
そう、中途採用ではスキルを求められます。では詳しく中途採用でなぜスキルが求められるのかということを解説していきます。
なぜ中途入社はスキルが求められるのか
先ほど述べたように中途入社においては「スキル」が求められます。ではなぜか?
まず新卒採用と中途採用の違いを考えます。
◆新卒採用
- 社会人経験がない
- 社会人経験がない故に社会に価値を出すスキル・力量が面接でははかりづらい
- 上記の為、新卒の求職者が会社に入社し社会人になった際にどのように活躍するかを学生がもつポテンシャルで判断する
◆中途採用
- 社会人経験がある
- 社会人として前職等で身に着けたスキルがある
- 社会人経験で身に着けたスキルをどのように次の職で活かすことが出来るかを判断する
おおまかに上記のように違いがあります。
新卒では学生時代にアルバイトやサークルや学校での成果などがある求職者が多いです。
そのような場面で求職者がどのような強みを発揮し、どのような成果を出したのかを面接でヒアリング。
その学生時代に発揮した強みを今後、“社会”という世界で発揮すると考えた際に、自社に必要な人材であるのか?自社で成果を出せる人材なのかを面接でチェックしています。
中途採用は先ほど述べたように社会人経験があります。
社会人としての基礎があるという前提の中、前職でどのようなスキルを身に着け、自社でそのスキルを使い、“即戦力”として成果を出せるのかということに注視します。
前職と職が違えど、即戦力として力を発揮できるスキルもあります。
では、どのようなスキルが求められることが多いのかを次の項目で話します。
どのようなスキルが求められる?
スキルといってもどのようなスキルが求められるのか?細かなPCスキル、コミュニケーションスキルなど様々思い浮かびますが、それらが含まれるビジネススキルを体系的にご紹介します。
アメリカの経営学者ロバート・カッツが提唱するビジネスで必要な3つの体系的なスキルとなります。
- ヒューマンスキル
- テクニカルスキル
- コンセプチュアルスキル
これら3点を詳しく解説します。
ヒューマンスキル
対人関係能力。
良好な人間関係を構築し、維持するために必要なスキル。
主にコミュニケーション能力、ネゴシエーション(交渉する能力)、ヒアリングスキル、プレゼンテーションスキルなどがあげられます。
他者の意見や考えを正確に引き出すこと、または自身の意見を他者に伝えることが出来る能力が必要となります。
また伝えるだけではなく、組織内の意見を統合し、プレゼンテーションをする力、組織のモチベーションをあげる力なども必要とされます。
テクニカルスキル
業務遂行能力。
専門性が高いスキル。
業務そのものに関するスキルや知識であり、業務遂行に欠かせません。
大きく2つにわけると以下。
- 専門的スキル:職種による専門性の高い知識、スキル
- 汎用的スキル:どこでも必要とされる基本的なパソコンスキルやビジネスマナー
専門的スキルには商品知識、市場理解、マーケティング、文書作成能力等、業種により細かく分類することが出来ると言えます。
例:営業職をしてきていた方のテクニカルスキル
- 販売する商品の知識
- 販売する商品の市場理解
- ニーズを把握するカウンセリング能力
- 販売することが出来るプレゼンテーション、クロージングスキル
などが一例としてあげることが出来ます。
コンセプチュアルスキル
物事を概念的に捉え、物事の可能性を最大限まで高める能力。
具体的には物事の本質を捉えるスキル、物事を概念化してロジカルに捉えるスキル、分析力、ビジョンを描くスキル等があげられます。
組織内の課題解決をする上でコンセプチュアルスキルは欠かせません。
上記3つは体系的にまとめましたが、ご自身がこの3つの中で何を身に着けているのか。何を面接時にアピールすべきなのかを自己分析しましょう。
面接時のアピール方法
面接には決まった形があるわけではなく、企業によって聞かれることは様々です。
ただ採用する側がどのような求職者に魅力を感じるかには共通するポイントがあります。
それは「この人を採用することにより企業にとってプラスになるのか?」ということです。
プラスという表現の抽象度が高いので詳しくご説明すると
「この人を採用すると…」
- 企業の利益が上がるのか
- 組織の課題を解決できるのか(現状の課題解決)
- 将来描いている企業のビジョンにおいての課題をクリアし現実化できるか
- 企業に足りないポジションをカバー出来、成果をあげられるのか
- 将来描いている企業のビジョンにおいてのポジションを担えるか
等があげられます。
もちろん志望動機なども大切ではありますが、どれだけ企業への想いを伝えても「あなたを採用することによる企業へのメリット」を面接官が感じなければ合格率は下がります。
ではどうしたら自身の効果的なアピールができるのか。
“事前準備”
これにつきます。
ではどのような準備をするべきか。
企業研究
当たり前のことかもしれません。ただ「自身を採用することにより企業の課題を解決できる、この人を採用するべきだ」と面接官に思わせるためには、ただホームページに書いてあることだけをなぞってみるのではなく、“表面上では見えない企業や業界の課題”を仮説立てて、自身の持つスキルがその課題解決のためにどう使えるのか?を考える必要があります。
故に下記2点も必要です。
業界研究
業界の課題があるはずなので課題把握をしなければいけません。また志望する企業のコンペティターはどこにあたるのか、業界内のポジションを理解することにより企業の強み・弱みを理解することができます。
自己分析
企業・業界を理解し、企業が必要とする人材を仮説立てることができたら、自身のスキル理解をしましょう。
企業分析・業界分析をした上で、課題の仮説・必要とする人材の仮説をもって自身のスキルが企業でどのように活かすことが出来るのかをアピールするためです。
最後にまとめ
新卒入社はポテンシャル採用、中途入社はスキル採用
スキルを体系的に表現すると3つ
- ヒューマンスキル
- テクニカルスキル
- コンセプチュアルスキル
面接時には3つの準備を
- 企業分析
- 業界分析
- 自己分析
企業のホームページに記載がある表面上のことだけでなく、業界やコンペティター等も徹底的に分析することで企業や業界の課題や必要とされることを仮説立て、「企業に必要な人材」がどのような人か調べる。
面接時のアピールに外せないことは「自身を採用したら(私の持っているスキルを使えば)企業にとってどれだけのメリットをもたらすことが出来るのか」
以上です。
ご自身の今までの経験に自信をもって、納得のいく新たなチャレンジができることを応援しています。