- 「転職先でうまくやっていけるだろうか」
- 「もっと他に良い転職先はあったのではないだろうか」
このように転職で内定が決まったものの、不安を感じている人は多いのではないでしょうか。
20代・30代のdoda会員302名を対象とした「株式会社はたらクリエイト」のアンケート(2019年実施)によると、「内定承諾から入社までに不安を感じたことがあるか」という質問に対し、8割以上が何らかの不安を感じていると回答しました。
私自身、転職経験者ですが、入社日まで不安だったのを今でも覚えています。
「次の職場でうまくいくのかという不安」や「今勤めている会社が見える」など、まさに転職ブルーを感じていたのです。
転職前の「この会社を辞めて次の職場でがんばるぞ」という意気込みはいったいどこに行ってしまったんだといった感じでした。
このように転職ブルーを感じているのは、あなただけではないのです。
転職ブルーの原因
転職ブルーの原因は、主に3つあります。
- 環境の変化に対する不安
- 自分の選択を疑う気持ち
- 退職前にやることの多さに圧倒される
①環境の変化に対する不安
心理学用語で「現状維持バイアス」という用語があります。
これは「大きな変化や自分が経験したことないことを避け、現状を維持したくなる」といった心理的作用がはたらくことを言います。
例えば、会社におけるペーパーレス化。
会社でのペーパーレス化は、コスト削減や情報の探しやすさなど多くのメリットがあります。
しかしこのような多くのメリットがあるのにもかかわらず、紙で仕事が回っている会社はいくつもあります。
このペーパーレス化が進まない理由の1つとして、現状バイアスがはたらいているからと言えます。
特に年配者だと紙に慣れ親しんできた期間が長いため、紙をなくしていくことに対して強い抵抗感を示すでしょう。
頭ではペーパーレス化が良いと分かっていても、今まで慣れ親しんできたものがなくっていく恐怖や新しいものを導入することへの不安を感じてしまうものです。
転職においても同じことが言えるでしょう。
入社日までの間、人間関係や労働環境、自分のスキルがマッチするかなど、様々な不安を感じてしまうことがあるはずです。
いろいろな感情が複雑に入り混じって、不安が不安を呼び、悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。
このように転職は大きな環境の変化であり、人生の大きなイベントでもあるため、ストレスを感じ転職ブルーになってしまうのです。
自分の選択を疑う気持ち
転職先が決まり、あとは退職まで無難に働いて過ごすだけ。
そういう思いで日々の仕事をこなしていくと、ある思いが湧いてきます。
「転職という選択は正しかったのだろうか」
退職日が近づけば近づくほど、今の職場がよく見えてきたり、転職先に対する不安が募ってきたりしてしまうものです。
- 「案外この職場も悪くなかったな」
- 「○○さん厳しかったけど、優しいところもあったな」
- 「次の職場の人間関係はもっと悪いのではないか」
このように今勤めている職場のことを美化し、自分の転職という選択について迷いが生じてしまいます。
そして、退職日まで迷いながら働き続けることで、転職ブルーに陥ってしまうのです。
③退職前にやることの多さに圧倒される
転職先が決まって安堵したのも束の間。
退職前にやることが多く、転職ブルーに陥ってしまうパターンもあります。
- 引越しの準備
- 転職先の事前課題や健康診断等の提出書類の準備
- 現職でお世話になった方々へのお礼のプレゼントの準備
引越しの準備では、次の住む家を決めるのはもちろんですが、電気やガスの解約・契約手続き、郵便物の転送先住所の登録、役所の手続き、引越し業者への引越し依頼、荷造りなど、非常にたくさんのやるべきことがあります。
引越しに伴う費用も意外とかかってしまうため、頭を悩ませてしまうものです。
また、転職先への提出書類を揃えるために、仕事の休みをとりながら、役所で証明書を発行しに行ったり、健康診断を受けたりしなければなりません。
会社によっては、事前課題を提出させる場合もあるため、働きながら課題に取り組むのは、なかなか骨が折れるでしょう。
さらに意外と労力を要するのは、現職でお世話になった方々へのお礼のプレゼントの準備です。
誰に渡すか、何を渡すか、予算はどれくらいにするかなど、考えることが意外とあります。
真面目な人ほど、プレゼントに加えて手紙を書くなど、一生懸命考えすぎて疲れてしまうこともあるのではないでしょうか。
このように退職前にやるべきことが多く、転職ブルーに陥ってしまうこともあるのです。
転職ブルーの解消法
では、どうすれば転職ブルーを解消することができるのでしょうか。
私が実際試した方法として以下2つを紹介します。
- 相談する
- なぜ転職したのか原点に立ち返る
①相談する
気分が落ち込んでいる時は、人に相談ことですっきりとした気持ちになります。
特に私がおすすめしたいのは、実際に転職をしたことがある知人や友人に相談することです。
私が転職ブルーで不安になっていた時、定期的に会う友人に「転職決まっているのに元気ないな」と言われました。
その友人は転職経験があったため、転職で内定が決まった時、どういう心境だったのかを聞いてきみることにしました。
すると「俺も不安だったよ」との返答があり、転職ブルーを感じているのは、自分だけではないと安心したのを今でも覚えています。
友人にいろいろとアドバイスももらい、転職経験者である友人の言うことには説得力もありました。
また、自分の思いを言葉にしていくうちに、頭の中でモヤモヤしていたことが整理され、前向きな気持ちになれました。
転職ブルーを感じた時は、1人で抱え込まず、ぜひ周りの知人や友人に話してみてください。
②なぜ転職したのか原点に立ち返る
そもそも自分はなぜ転職したのでしょうか。
それは「現状に不満を感じているから」ではないでしょうか。
今の会社にどこか違和感を感じ、現状を打破したいという思いで転職を決意したはずです。
しかし、動かなければ何も変わらないのです。
転職に対し不安を感じ、結局現職に留まったとしても、今まで通り飲み会で、会社や上司の愚痴を言いづけたり、日曜日の夜に憂鬱を感じたりするだけの人生に戻ってしまいます。
まずは最初の自分の直感を信じ、転職ブルーを感じたとしても、原点に立ち返って前に進んでみてはいかがでしょうか。