在職中に転職活動を行い、スムーズに転職先を見つけられれば理想的ですが、必ずしも計画通りにいくわけではありません。
様々な理由で前職から転職までの期間が空いてしまうケースがありますが、転職までの離職期間はどのくらいまで許容されるのでしょうか?
平均的な転職活動期間は2~3カ月が一般的であることを考えると、1年以上のブランクが空くと企業側としては採用に及び腰になるでしょう。
ここでは転職に伴う離職期間の考え方について説明します。
なぜ、離職期間は1年以内が望ましいのか?
離職期間が長すぎると採用に影響が出るのはなぜでしょう?大きな理由は3つあります。
ブランクが長いと社会復帰が難しいと危ぶまれる
履歴書的に素晴らしい経歴の持ち主で、前職で輝かしい成績を上げていたとしても、離職期間が長いとその効果は薄れてしまいます。
採用する側は、ブランクが長いことでそれまでのような良い状態で働くことができるのか、疑問を持ってしまうからです。
第一線から離れていた期間が長ければ、勘を取り戻すまでに時間がかかるでしょうし、判断力や実行力が鈍っていると考えられるでしょう。
新しいトレンドやシステムなどにすぐに適応していけるのかについても不安がられます。
無職でいる時間が長くなればなるほど、それまで築き上げた経歴が錆びつき、転職活動に生かしにくくなってしまうのです。
選り好みしていると思われる
純粋に自分に合う転職先を探しているために転職活動が長引き、離職期間が長くなってしまったという状況は発生しがちです。
しかし、採用する側は、選り好みしているからブランクが空いてしまっているのではないかと考える可能性があります。
給与、職務、休日、昇給など、少しでも希望条件に合わないところがあれば受け入れられない、柔軟性が低い人間に違いないとレッテルを貼られてしまうリスクが。
この場合、採用しても、自分に合わないと思ったらすぐに辞めてしまうのではないかと不安になり、採用担当者が敬遠するケースが多いでしょう。
理由なくブランクが長いと社会不適合者と見られる可能性がある
正当な理由がなく離職期間が長い場合は、働くことへの意欲が低い、計画性なく仕事を辞めてしまったために転職活動に難儀しているなど、社会不適合者と見られる可能性があります。
更には、これまでの転職活動において他の企業にも採用されていないのであれば、人間性に問題があるのでは?と疑問を持たれることにもなりかねません。
このような場合、どんなにやる気を見せて、「採用されたら頑張ります!」と伝えたとしても、先入観を持たれてしまうため、採用面接をクリアできる可能性は低いでしょう。
長い離職期間は理由が重要
離職期間が半年を超えると採用面接で必ず理由を尋ねられると考えておくべきです。
無職だった期間に何をしていたのか、その説明により企業側の印象が大きく変わります。
明確な理由があるケース
留学、資格取得など、目標を持ち、実現するために長期の離職期間ができてしまったというのであれば、採用側も理解しやすいでしょう。
ただし、この場合は必ず結果を出していることが重要です。
「留学に行った結果、TOEICのスコアが○○点伸びた」、「△△資格のための学校に通っており、無事に資格を取得した」、などの結果が伴って初めて長期離職の正当性が認められます。
習得した語学力や取得した資格などが転職先でも生かされるような場合は、長期の離職期間がプラスに作用することも考えられます。
また、病気療養や介護といった状況も長期離職の理由として通常は受け入れられやすいでしょう。
しかし、病気療養や介護というのは、採用側にとっては不安要素となります。
「療養の結果、健康状態は回復した」、「介護問題は解決した」など、採用された後で会社に迷惑をかけることはないということを明確に伝える必要があります。
理由が不明確なケース
「バイトをしていた」、「いろいろ旅行に行っていた」など、はっきりとした理由がないまま離職期間が長期化してしまった場合は、採用担当者としては黄色信号をともすでしょう。
また、「転職活動をしていたけれど、良い転職先に出会えなかった」などの理由では、どこの採用試験にも通らなかった印象を与えるため、採用側から見ると間違いなく赤信号です。
何らかの正当性がなければ、採用試験を突破できる可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
年齢と離職期間の関係
転職活動をしている年齢と離職期間には関係性があります。
例えば、20代の転職希望者で離職期間がある場合、第二新卒という枠で受け入れられるケースがあります。
企業側も若いうちは迷いがあったり、ミスマッチがあったりすることもあるだろうと寛容になるため、やる気がある若者にはチャンスを与えようという気持ちになるものです。
ところが、40代を過ぎて長い離職期間がある場合は、その理由についてかなり踏み込んだ質問をされることを覚悟しておくべきでしょう。
社会人経験が長いのに、無計画な転職活動をしている要領の悪い人物なのか、人材として魅力がないのか、単純に働くのが嫌いな怠け者なのか、というようにマイナス面から見られてしまう確率が高いことは否めません。
まとめ
いかがでしたか?
無職の時期は空白期間と捉えられるので、そこで何を考え、どのように過ごしていたのかをしっかりと伝えられるようにしておく必要があります。
採用する側は、その回答を聞いて人物像を判断し、これから一緒に働いてもらいたいかどうかについて考えます。
ブランクは長いけれど、採用した暁にはきっと良い力を発揮してくれるだろうと思ってもらうためには、離職期間が意味のある時間だったことを自信をもって言えるような結果を示すことが重要です。
これから転職活動を始めようと考えている人は、離職期間をできるだけ短くするために在職中から活動を始めることをお勧めします。
どうしても在職中に転職先が決まらなかった場合は、退職後3カ月以内には内定がもらえるように目標設定するべきでしょう。