転職活動を考えている方の中には、前の業種と同じ業界・職に就きたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
実は転職活動をする人たちの中で「職種が変わる人」は全体の34%しかいません。つまり「職種が変わらない人」たちが約7割と大半を占めているのです。
ではなぜ、この様な数字が出るのでしょうか。
「転職する人が何を求めて転職するのか」「なぜ3割しか職を変えないのか」を詳しく説明していきます。
転職する人は何を求めているのだろうか?
何を求めて転職するのか、今この記事を読んでいる方も今一度考えてみてください。
よく挙げられるのは下記です。
- 前職の人間関係が悪かったから環境を変えたい
- 前職の会社の価値観と自身の価値観が一致しなかった
- 給与が希望と見合わなかった
- キャリアアップしたかった
- 希望する勤務地に勤務したい
- 前職では自身のしたい仕事が出来なかった
- 前職では残業が多かった
など様々な理由があげられます。
上記をみると一見ネガティブな理由に見えてしまいますが今一度、その希望の本質を見ていただきたいです。
人間関係の不満
周囲との関係性を大切にするタイプ。同じ価値観の組織で、健全な組織で目標を持って取り組みたい。
給与の不満
自身を正当に評価をしてほしい。自身の実力を発揮できる場所で、成果を出したい。
キャリアへの不満
上記と同じく、自身を正当に評価をしてほしい。高い目標を持ち、実力を発揮しキャリアをあげていきたい。
福利厚生、勤務時間などへの不満
仕事も大切だが、プライベートでの自分へ投資する時間が欲しい。
(何のために投資するのかは自己分析が必要)
転職理由はネガティブと決めつけられることが多いですが、表面的な理由を列挙して終わるのではなく、その裏に隠れている本質こそが課題なのです。
その本質と向き合い解決できる企業で働くことで、転職後もその就職先に納得しながら働くことができるのではないでしょうか。
そして、上記に述べた転職理由を見ていると圧倒的に多い理由が「外的要因」です。
例えば「人間関係」「残業時間」「評価制度」などの環境です。
このことから転職活動をしたい人の多くは簡単に言ってしまえば「現状の環境を変えたい」人が多いと言えます。
転職活動で“職”が変わる人は3割しかいないのはなぜ?
先ほどの「転職活動をする理由」でも述べたように、現状の環境を変えたいがために転職活動をする人が多いことから会社という環境を変えて、職は変わらずという転職者(つまり転社する人)が多くの割合を占めているのです。
会社の人間関係が変われば、同じ価値観の組織で自身の成し遂げたい仕事ができるのではないだろうか。
会社の制度が納得できるものであれば、前職で磨いてきた自身のスキルが正当にと評価されるのではないだろうか。
会社の残業時間が無くなれば、前職と同じ職種でも構わず働いていきたい。
企業の方向性に共感できれば、より自身の仕事にやりがいをもって働くことができるのではないだろうか。
上記のように考える転職者が多いから、転職活動は「会社を変えるだけで、職種が変わらない人が7割」であると言えます。
では転職活動を成功させるにはどうしたらよいのか?
転職活動をするということは、自分自身の人生の大切な岐路になります。そして今いる場所を抜け出して環境を変えるということは、大きなエネルギーを使いますし、時間も使います。
だからこそ転職活動を成功させたいと、多くの人が思っているでしょう。
では、転職活動を成功させるためにはどうしたらよいのか。
中途入社の人材は「即戦力」であることが求められます。
終身雇用ではなくなった今の日本では、会社で重要視されるのは年功序列ではなく「社会に価値を確実に出せる人材」であるかどうかです。
だからこそ、前職で培ってきたスキルやノウハウが「世の中にどれだけの価値を出せるのか」を面接官に訴求することが求職者には求められます。同業他社に転職を考えているからこそ、前職で培ってきた業界の知識、マーケット理解、職を通して出せる価値をアピールできることは大きなメリットとなります。
なので転職を成功させるにあたり、下記のポイントを自身で深ぼって、言語化をしてみてください。
人間関係の環境が転職理由の方
前職の人間関係の何が不満だったのか。
理想の人間関係とは何か。
その理想の人間関係があると、どのように自身が会社・顧客に価値を出せるのか。
その人間関係を作る為に自身が出来ることは何か。
評価制度が転職理由の方
評価制度の何か不満だったのか?
評価されるべき自身のスキルとは何か?
主観ではなく、客観的にみた自身のスキルとは何か?
どのような評価をされれば納得するのか?
福利厚生などの環境が転職理由の方
福利厚生とは、数が多ければ満足なのか?それとも自身の望む特定の福利厚生があれば満足なのか?具体的にどのような福利厚生があれば満足なのか?またそれはなぜ必要なのか?
残業をしたくない人は、なぜ残業をしたくないのか?
残業をしない分、何を充実させたいのか?何に時間を使いたいのか?
限られた勤務時間の中で自身が出せる成果とは何か?
上記は一部ですが、環境を変えたいというのであれば具体性をもって「どのような環境であればいいのか」を言語化しましょう。
転職活動において前職での問題の本質が解決できていないと、新しい環境でも納得できないまま働くことになるからです。
前述したように、かつては終身雇用が約束されて年功序列の会社が多かった日本。だからこそ手厚く会社に守られる反面、与えられる職務はなんでもやる必要がある企業がこの国には多かったのです。
ただ現代は終身雇用が約束される企業も少なくなり、より流動的に雇用が動く時代になりました。そのような転職市場から会社ですぐに成果を出せる人材を採用しなければいけなくなったため、より個人のスキルが問われるようになっているのです。
転職をするのであれば「何を変えたいのか」を明確化し、「自身の何で勝負できるのか」を訴求できることが求められます。
せっかくの転職活動、自身の納得する1社で自分らしく価値を出せる未来をつかみ取ってください。